肺・縦隔腫瘍委員会活動報告

特定非営利活動法人
日本放射線腫瘍学研究機構 JROSG
会員各位

謹啓 時下の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申しあげます。
また、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
下記へ、肺・縦隔腫瘍委員会の活動をご報告いたします。

JROSG肺・縦隔腫瘍委員会の活動報告

委員長:永田 靖(広島大学)
委 員:有本卓郎(北見赤十字病院)、板澤朋子(聖路加国際病院)、江原 威(杏林大学)、大西 洋(山梨大学)、奥村敏之(筑波大学)、唐澤克之(都立駒込病院)、北本佳住(群馬県立がんセンター)、木村智樹(広島大学)、久保亘輝(群馬大学付属病院)、小久保雅樹(神戸市立医療センター中央市民病院)、小宮山貴史(山梨大学)、齋藤吉弘(埼玉県立がんセンター)、栄 勝美(岡村一心堂病院)、塩山善之(九州国際重粒子線がん治療センター)、澁谷景子(大阪市立大学)、高仲 強(厚生連高岡病院)、高橋重雄(香川大学)、玉置幸久(島根大学)、辻野佳世子(兵庫県立がんセンター)、中村 匡希(国立がん研究センター東病院)、中山優子(国立がん研究センター中央病院)、萩原靖倫(MedAustron, Austria)、早川和重(国立病院機構災害医療センター)、林 真也(藤田医科大学)、平川浩一(嬉野医療センター)、松尾幸憲(京都大学)(敬称略)

現在までに終了した臨床試験、観察研究
1.中枢側(縦隔・肺門側)に存在するIA期非小細胞肺癌に対する体幹部定位放射線照射 第I相試験(JROSG10-1):終了し、論文化済(Kimura et. al. IJCO 22: 849?856, 2017)
2.間質性肺炎を合併した肺癌の放射線治療における急性増悪に関連する因子の探索のための全国調査:(Hagiwara. et. al. J Radiat Res 61, No. 4, 2020, pp. 563?574)
3.I期小細胞肺癌に対する定位照射の調査研究:論文投稿中
現在進行中、企画中の臨床試験、観察研究
(1)非小細胞肺癌完全切除後の孤立性肺腫瘍に対する体幹部定位放射線治療の第II相試験の進捗状況(JROSG17−4)(高橋重雄先生):プロトコールは理事会にて承認済み。主幹機関(香川大学)および協力施設計8施設でIRB承認済み(参加予定施設15施設)。2020年9月1日より登録開始し、10/17現在1例登録(予定登録数35例)。
(2)中枢性肺癌に対する体幹部定位照射の臨床試験(小宮山、大西):JROSGでの前向き観察研究を目指してプロトコールドラフトを臨床試験審査委員会に提出し、ドラフト承認。現在、フルプロトコール作成中。
(3)COVID-19パンデミック下における肺癌放射線治療指針の作成支援
JASTRO COVID-19対策アドホック委員会による肺癌に対する指針作成を支援した。(JASTRO-HPに掲載中)
(4)JCOG1408臨床試験
現在までに365例登録中、2023年3月までの登録完了をめざす。
(5)小細胞肺癌完全寛解例に対する予防的全脳照射後の認知機能に関する観察研究:PCIの件数が減少している事情を考慮して、PCIの線量は固定せず症例集積を行う観察研究となる予定。プロトコールを中枢神経グループとも協議中。
(6)肺癌CTVコンセンサスガイドライン作成プロジェクト

  • GTV primaryに関する部分のレビューを和文で作成して英訳校正中
  • GTV nodalについても作成予定

*本グループでは、肺・縦隔腫瘍関連の臨床試験を立案するのみならず、国内外の肺癌関連の最新臨床試験に関連する情報を共有し、各自の肺癌診療のレベルアップを目的としている。肺・縦隔腫瘍の臨床試験・診療に関心のある新規メンバーの参加を歓迎したい。

以上です。今後ともJROSGの活動へご指導、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

謹白